研究セミナー


  古典を新たな糧とするために・・・


盛 会 御 礼 !

サンスクリット語とその文学について


石井 裕

 

2026年 2月28日(土)15:00~17:00

会場:府中市市民活動センター 

 プラッツ 6F「第2会議室」

(京王線府中駅直結の施設です)

https://www.fuchu-platz.jp/use/index.html

 

<参加無料、事前の申し込みは不要です>

 

・オンライン参加可、「古典学舎 講読教室」の

チャンネルにお繋ぎください。

 

・古典学舎の講座が初めてという方は

「お問い合わせ」よりご一報ください。

 

サンスクリット語は古来、日本では「梵語」の名で親しまれ、仏教経典の原語として知られてきました。そのため「宗教と密接に結びついた聖なる言語」というイメージが定着していますが、それはこの言語の実相を捉えたものとは言えません。

 

歴史的に数多の言語が入り乱れるインド亜大陸において、地域や時代を超えて知性を繋ぐ lingua franca(共通言語)として君臨した言語、それがサンスクリット語です。西洋におけるギリシア語・ラテン語の役割を、南アジアにおいてそれと同等、あるいはそれ以上に果たしてきました。紀元前千年以前に成立したヴェーダ聖典に遡るこの言語は、仏教をも含むインド諸宗教の「聖なる世界」を記述する聖語であると同時に、風流人たちの性愛を中心とする美文学から、独自の精緻な理論を誇る諸学術書、法律文献、公文書に至るまで、「俗の世界」をも記述する世の知識人の共通語でもありました。インド古典は、聖俗を問わず、およそ全てがこの言語により綴られてきたのです。

 

また「死語」と評されることもありますが、今なおインド公用語の一つとして万単位の話者を擁し、ギリシア語・ラテン語が西洋諸語に対して持つ以上の影響力を現代インド諸語に対して持ち続ける「生きた古典語」でもあります。

 

こうしたサンスクリット語の在り方は、ギリシア語・ラテン語とは洋の東西に置かれた「知の合わせ鏡」であると言えます。同じ印欧語という根を持つ両者は、語彙や文法の共通性のみならず、それぞれの文明で果たしてきた役割までもが驚くほどパラレルな関係にあります。

 

本講演では、皆様を本格的なサンスクリット語学習に誘うことを主眼に、その言語的特徴と文学の広がりを概観します。西洋古典に親しんでこられた皆様にとって、インド古典という「鏡」に映し出される知の世界は、ある種の懐かしさと、新たな発見をもたらすものとなるのではないでしょうか。


 * * *

盛 会 御 礼 !

弁論術の政治学的基礎


堀尾 耕一

 

古典期のアテナイにおいて、多数決を原理とする民主政のもと、政治や裁判を動かすことのできる万能の技術としてもてはやされたレトリックすなわち弁論術は、一方では真・偽ないしは善・悪の基準を欠いた、民衆への単なる「迎合」として強く批判されることになります。理想とすべき共同体のあり方を論じるプラトンおよびアリストテレスの政治学において、弁論術はいかなる役割を求められることになるのか。それはそのまま、自由市民の心得るべき、まっとうな言論の技術とは何か、その要件を問い直すことにつながるでしょう。

 


2025年 12月6日(土)14:00~16:30

会場:府中市市民会館 ルミエール 2F「講習会議室」

(府中駅北口より徒歩5分ほど、府中市立中央図書館の入っている建物です)

https://www.lumiere-fuchu.jp

 

・オンライン参加可、「古典学舎 講読教室」のチャンネルにお繋ぎください。

・古典学舎の講座が初めてという方は「お問い合わせ」よりご一報ください。


 * * *

盛 会 御 礼 !

アウグスティヌスと西洋古典


小沢 隆之

 

ユダヤ教の伝統に根ざすキリスト教と、神々の活躍するギリシア文学の伝統。あるいは哲学と弁論術。言語としてのラテン語とギリシア語。さらにはローマ帝国とその属州であるアフリカ。こうした様々な知的伝統が交錯する場に生きたアウグスティヌスの思索に迫ります。


2025年 9月27日(土)14:00~16:00

府中市市民会館 ルミエール 2F「講習会議室」にて

(府中駅北口より徒歩5分ほど、府中市立中央図書館の入っている建物です)

https://www.lumiere-fuchu.jp

 

・オンライン参加可、「古典学舎 講読教室」のチャンネルにお繋ぎください。

・古典学舎の講座が初めてという方は「お問い合わせ」よりご一報ください。

<発表要旨>

今回の発表は大きく二つのパートから構成されます。

 

前半では、アウグスティヌスの『告白』を中心に、彼が古典文学、とりわけキケロをどのように受容したのかを検討します。司教としての著作においてアウグスティヌスは一見するとキケロから距離を取っているように見えますが、実際には重要な点でキケロの影響を強く受けていることを明らかにします。

 

後半では、アウグスティヌスの著名な「時間論」を紹介します。『告白』第11巻に展開されるこの議論は、過去・現在・未来を「現在としてのあり方」として再定式化する独自の構想であり、彼の思想の中でも特に注目される部分です。

 

以上の二つの主題を通じて、アウグスティヌスが古典的遺産をいかに読み替えたのか、そしてそこからいかなる独創的な思想が生み出されたのかを考察したいと思います。

 * * *

盛 会 御 礼 !

ホメロス概説


堀尾 耕一

2025年 4月5日(土)14:00~16:00

府中市市民会館 ルミエール 2F「講習会議室」

(府中駅北口より徒歩5分ほど、府中市立中央図書館の入っている建物です)

https://www.lumiere-fuchu.jp

 

われわれが手にしうるほぼ最古の文学作品であるホメロスの叙事詩は、いまだ文字の使用が普及する以前に、一定の韻律にのせて歌われたものであることが知られています。アルファベットの普及から遡ること何百年の単位で培われてきたであろう、口誦による言語的営みの、いわば総決算の位置に屹立しているのがホメロスという詩人なのです。今回の講座では、こうした口誦叙事詩の伝統を展望しつつ、『イリアス』のテクスト伝承、文学的特質、および韻律の仕組みについてなるべく分かりやすく説明します(1回完結)。

この講義は新学期から始まる『イリアス』講読の導入的な位置づけとなりますが、ギリシア語の知識を前提とするものではありませんので、関心のある学友のみなさまにご参加いただけます。

 

関連講座:<横浜古典学舎> ギリシア語講読:ホメロス『イリアス』

参考文献:高津春繁『ホメーロスの英雄叙事詩』(岩波新書)1966.

     森 進一『ホメロス物語 イリアス・オデュッセイア』(岩波ジュニア新書)1984.


 

・古典学舎 学友の方であれば 受講手続き および 受講料 は不要です。

・オンライン参加可、「古典学舎 講読教室」のチャンネルにお繋ぎください。授業記録も視聴できるよう配慮します。

・古典学舎の講座が初めてという方は「お問い合わせ」よりご一報ください。

 * * *

盛 会 御 礼 !

小林標先生 講演会「ローマ喜劇を読み直す」


ラテン語・ロマンス語学の専門家であり、また東西の演劇文化について造詣の深い

小林 標(こばやし こずえ)先生(大阪市立大学名誉教授)に「ローマ喜劇を読み直す」と題してご講演いただきます。

 

2024年 3月23日(土)15:00~16:30

府中市市民会館 ルミエール にて

 

当日は定例の「春のうたげ」が開催されます。

詳細については こちら。もしくは直接お問い合わせください。


 * * *

盛 会 御 礼 !

<特別企画> ソクラテスと若者たち


 

2022年 4月1日(金)18:00~19:00

 

さらに 19:30~21:00

 <花見の会 online >

 

事前登録は不要です。学友のみなさまは、

時間になりましたらいつものZOOMにつないでください。

この機会に学舎を覗いてみたいという方の参加も歓迎いたします。「お問い合わせ」よりご一報ください。学内ページにご案内いたします。

 

三嶋 輝夫  /  堀尾 耕一

 

新学期よりプラトン『クリトン』講読をご担当いただく 三嶋輝夫 氏の近著『ソクラテスと若者たち』をめぐって、著者にいろいろとお話を伺います。とりわけ、ソクラテスに対するある種の「疑問」ないしは「不満」をストレートにぶつける若者たちに焦点を当てた議論は、哲学の始まりとしての「対話」そのものへの導入となることでしょう。

参加者の積極的なご質問、ご発言を歓迎いたします。

 


 * * *

盛 会 御 礼 !

アキレウスは新しい英雄なのか?


大久保 俊輔

当学舎の若い学友である 大久保俊輔 さんはこの3月に青山学院大学を卒業の予定、4月からは IT 企業に就職なさいます。

去る2020年2月8日(土)に行われた研究セミナーは、おかげさまで盛況のうちに終わりました。発表は大学の卒業論文をもとに行われましたが、当日のやりとりをふまえたその改訂版を、本欄に掲載いたします。

 

学友限定で公開しています >>


 

<発表要旨>

 

古代ギリシアの英雄叙事詩『イリアス』は口誦詩の伝統のもと、前8世紀頃に成立した作品である。口誦詩とは詩人が聴衆を前にして即興で歌うスタイルの詩であり、その内容は聴衆の好みによると考えられる。とすれば『イリアス』は成立した当時の社会の価値観を代表していると言えるのではなかろうか。そこで『イリアス』の内容を検討し、当時のギリシア社会の様相にまで迫っていきたい。

 

『イリアス』は戦場での英雄たちの誉れを歌い上げる。第一線で勇敢に戦う英雄たちの姿は、聴衆にとって一定の美徳を備えた優れた人々と映ったであろう。一方で主人公であるアキレウスはというと、こうした英雄たちと同じように捉えることができない。誉れの場であるはずの戦場からは離れ、仲間であるはずのギリシア人たちとの関係を拒否しているようにも見える。こうしてアキレウスは他の英雄たちと明らかに異質な存在と映るのである。

 

このアキレウスという英雄をどう捉えるかという問いは、彼が『イリアス』の主人公である以上、作品全体の理解に本質的な意味を持つものである。本邦においては川島重成の解釈が大きな影響力を持っているように思われる。川島によると、アキレウスは既存の価値観から脱却した「新しい英雄」であり、ヒューマニズム的な人間真理に目覚めた英雄と理解される。一方で安西眞はアキレウスをむしろ古いタイプの英雄として解釈する。そして「アキレウスの怒り」も古い英雄原理を体現するアキレウスと、アガメムノンを頂点とした新しい社会との価値観のギャップに基づいていると理解すべきであるという。

 

どちらの解釈にせよアキレウスを彼の属する社会との価値観の相違に苦悩する英雄と捉えている点に変わりはないようにも思われるが、筆者はアキレウスを古い英雄と捉える方が妥当であると考える。アキレウスを社会の変化に取り残された英雄と理解するとき、当時の社会変化がより重大であったことがわかる。

 * * *

研究発表のすすめ


研究所としての学舎の中心的な活動領域です。テーマは参加者の自主的な判断を基本としますが、同時にこのセミナーは、可能なかぎり、出版活動を視野に収めたものにしたいと目論んでいます。つまり、ここで討論に付される話題は、発表者にとって、注釈書の一部にしたいこと、注釈書や研究書籍を執筆する過程でどうしても他者の意見を聞いておきたいことであるのが望ましい、ということです。むろん、「本にする」というアウトプットが先行して、研究そのものを不必要に縛るようなことがあっては本末転倒です。目指すべきは、互いに適度なプレッシャーを与えあう場であるといえましょう。

 

今のところ、ギリシア語文献研究、ラテン語文献研究、古典学方法論、という、大きく3つの分野を考えています。その研究会の日時や内容の予告、およびその成果については、順次このページで公開していく予定です。発表を希望される方は、「お問合わせ」フォームをとおして、発表概要および時期を明記のうえ、どしどしご応募ください。

安西  眞