新年度の開講にあたって

 東京古典学舎の活動も今年で7年目になります。開設者たちの予想をいくらか裏切った、熱心な、現実のあるいは潜在的な学友諸氏の支えに感謝いたします。

 

ユーラシア大陸の東の隅にぶら下がった、我らの日本語社会は、自律的な、そして極めて深刻なヨーロッパ理解を必要としています。これは、明治の開国以来、理解されたきたことですが、しかし、残念ながら歪んでいた。これがぼくたちの確信するところです。この歪みをいくらかなりと修正することの一助となりたい。これがぼくらの学舎の努力目標であることは開設以来かわることがありません。

 

開設にあたり、授業料を少し安く設定しすぎた、つまり自分たちの方針に確信があまり持てていなかったということは、長い間、反省として運営者であるぼくたちの側にありました。それで、少しずつですが、受講料の見直しをさせていただきます。学舎を永続的に運営し、また講師たちの学問活動を少しだけ支持する為、と了解していただければさいわいです。

 

単なるクイズ式の知識を獲得する為ではなく、自分たちが良き生き方を、今、これから先するために、この学舎の学友である、というこれまでの姿勢を崩すことなく今年をお過ごしになることを望みます。

 

塾頭 安西 眞