受講生の声


ラテン語講読 カエサル『ガリア戦記』

 

以下の5つの文章は、このクラスに在籍中の5名の生徒さんたちの文章です。このクラスはこの4月には8名の方がいらっしゃいましたが、勤め先が変わって忙しくなったり、一緒に始めたギリシア語初級の負担が大きくて、といった理由で3人の方が、長期またはそれよりは短い予定で「休養」となっての人数です。

 

数が減ると、教室で当たる回数が増えて、緊張が増す、とか、数が少ないと、教室の運営に支障がでるのではという心配があるとか(実際は、このクラスがあるせいで、運営が危機的状況になっているという事実はないと思うのですが)、せっかく読み始めた作品だから、せめてカエサルが書いた部分(『ガリア戦記』第1〜7巻)は読み通したいという「野望」を実現したい、とかという理由でなんとか、ひとりまたは二人の仲間を獲得したいということで、自発的に始まった動きの成果です。教室を運営する責任を分担している立場の人間としては、このありがたい申し出をお断りする理由はありませんから、ここにクラス担当講師の署名入りでホームページに載せます。

 

現在テクストは、『ガリア戦記』第2巻の終盤に差し掛かっています。教室では、毎週読む部分に関して、ホームページのラテン語中級クラスに掲載の注釈書とテクスト(注釈書に付いています)、それに、中山恒夫『標準ラテン文法』への参照の促しを中心とする講師手製の注釈書を毎週メイルであらかじめお送りして、それをも参照しながら読解を進めています。広大な古典ラテン語の世界への入り口としては、最もおすすめできるもののひとつだと、講師は考えています。なお、2019年度も『ガリア戦記』の講読は継続の予定です。 

安西 眞

 


ビジネスにも使えるガリア戦記

 都内の一企業に勤務しているサラリーマンです。日曜日のこのクラスのため平日少しずつ通勤電車の中で復習・予習をしてクラスに臨んでいます。教室では先生も生徒の質問に丁寧に理解するまで教えてくださり、クラスの進行スピードも比較的ゆっくりで助かっています。小さい教室ならではの特典かと思います。

 「ガリア戦記」ですが、大昔に日本語訳を読んではいましたが、やはり原文で読むとカエサルの淡々としたシンプルで無駄の無い文章にとても感動します。まさにその無駄の無い文章そのままに、カエサルがガリアという地で彼の壮大な目的を達成するために「最短距離」を詰めていく姿は、現代のビジネスに通用するものもあるのではないかと思います。ラテン語も学習しながら現代ビジネスにも通じるカエサルや登場人物たちの戦略・戦術も学習できますので、サラリーマンの方にもお勧めです。(K.I. 会社員)

 

広い視野でラテン語を学ぶ

 大学の講義でラテン語の授業を受けた時、なんと複雑で難しい言語なんだと思いました。そして、この言語の美しさや構文の面白さに気が付く前に、授業についていくだけで精一杯というようなこともありました。東京古典学舎では難しい構文が出てくるたび、皆さんの疑問が解けるまで先生が補足をしてくれます。

 ラテン語は、骨子となる文法構造の複雑さもさることながら、簡略化や新造語などによってそのスタイルが時代ごとに変化したという点が我々をしばし悩ませます。「この単語はもともとどういう単語から派生したものなのか?」「なぜカエサルはこれほどまでに絶対的奪格を多用するのか?」といったことがしばしば気になってしまうことも……

 このような言語学的な疑問点に関しても、先生が解説をしてくれます。またSkypeでの参加もOKなので、私自身、現在在住しているフランスから、早朝に通話で参加させていただいています。

(J.K. フランス某北部の大学、修士課程在学中)

 

交錯するガリアの名もなき人たち

 バカボンのパパは漢字が読めない。よってビビアン・リー主演映画のポスターを眺めて「と、に、りぬ」からストーリーを想像する。

 東京古典学舎にたどり着いたときの私のラテン語レベルである。

 それから数年、カエサルクラスの末席に。英雄はさておき、自らを投影できそうな名もなき人たちの描写を、パズルよろしくこね繰り回して古の戦地の隅っこを想像する。兵の逃亡を防ぐため台車の上から叫ぶ女、駿馬のたてがみにしがみつく歩兵、降伏哀願すべく町から押し出されるご老体。一行に満たない文、いや文節ひとつに苦戦する。「嵐に友と〇りぬ」程度になったレベルでカエサルを読もうというのだから、笑える誤読は山ほどある。そんな誤読を一緒に笑ってくれる安西先生の漫談講義は毎回楽しい。

 疑問にはとことん応えてくださいますので、初級と講読の間を埋めたいとお考えなら是非ご一緒に。(M.K.)

 

 

亀のように学んで

 ラテン語という言語を知ったのは、少年少女世界文学全集からでした。ラテン語の授業を生徒が敬遠したり、羊皮紙に記された古文書を聖職者が読み解く場面で、今は使われていないという古代の言葉に興味を持ちました。その後も、語源の本を読んだり、宗教曲を聴いてラテン語にふれる度に、いつか習いたいと考えてきました。

 数年前に府中に古典語の塾があることを知り、思い切って始めました。教えてくださる先生は、昔読んだ鞭を持った教師像とは大きく異なりました。1年で基礎文法を終えるのは速すぎると感じましたが、2年目3年目のガリア戦記講読においても、幾度となく文法の解説があるので復習となっています。

 使用している注釈書は英語版で、英語も苦手な私は、羅和辞典の他に英語の電子辞書も引きながらの作業となります。手間取るものの、英単語も覚えられるから良いようです。入り組んだ文を訳すのは時間を要しますが、暗号やパズルを解くような楽しさがあります。また、本文の筋とさほど関係ない事柄でも疑問が湧くと、塩野七生さんの著作や古代ローマについての本を開いたり、インターネットに繋げて調べていますが、そこでよく面白い発見をします。

 寄り道が多いせいか私の学習はなかなか捗りません。一緒に講読している仲間に迷惑かなと心苦しい時もあります。しかし、互いの学び方を尊重する気風がクラスにあり、続けられています。

(C.M. 事務職)

 

用意周到なカエサル

 私が最初にラテン語を勉強しようと思ったのは、大学2年生の頃でした。ラテン語を選択科目として登録して、授業には出席していたのですが、勉強時間が取れず、試験は受けていません。それからだいぶたち、数年前に国際会議でアテネに行く機会がありました。遺跡を見物するうちに、昔のことに興味が出てきて、ラテン語をもう1度勉強しようと思ったのです。

 文法が終わり、カエサルの『ガリア戦記』を読み始めました。「接続法」や「間接話法」など、文法で学んだ事項が、カエサルの文章を使って、しっかり復習できます。また、『ガリア戦記』の内容が面白いです。『戦記』といっても、戦う場面ばかりではありません。地形の分析、ガリアの部族の様子、部族との交渉や会議、食料の調達についても書いています。戦いには、このような下準備が大事だということがよくわかりました。安西先生の楽しい解説もあります。文法と内容の両面から探求する面白さを味わうことができます。

 私たちのクラスの特徴の1つは、受講生同士で助け合っていることです。誰かがクラスを休んだときは、先生の許可をいただいて、他の人が録音しています。出張などでクラスを欠席しても、後から音声を聞いて勉強できて大丈夫。ちなみに、時々、飲み会も企画されます。すばらしい先生と仲間に恵まれたクラス! 途中から参加される方も大歓迎です。(M.T. 大学教員)